狐の眠り姫
少年は、面を外した。
色素の薄い、金色の髪。
ガラスのような青い瞳。
白い肌。
何より、美しいとしか形容できない顔立ちに、葉はくぎづけになった。
「忌桜が命ずる。…そなたの名を明かせ。」
葉は、体の力が抜けるのを感じた。
「よ、葉…。」
口が、勝手に音を発した。
意識がうすれる。
「葉………いい名だ。」
次の瞬間、私の体は、彼に抱きしめられた。
そして…
乱暴にキスされた。
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