† 黒猫とクラウン †
「黒猫・・・?」

そう言いながら、頭に手を伸ばしてみる。

・・・・いた!?

ふさふさしてて、毛並みがすごくいい。

そっと持ち上げ、自分の前に持ってくる。

「やけにおとなしい猫だな!俺にも触らせてくれよ」

蓮がそう言って手を猫に伸ばしたとたん、猫は激しく嫌がり、蓮の手を引っかいた。

「痛っ!」

「だ、大丈夫か!?」

押さえてる手を覗き込みながらきいた。

「あはは、大丈夫大丈夫。その猫、よっぽどお前に懐いてるんだな」

「蓮、僕猫なんて飼ったことない。この猫、知らない」

「・・・猫も一目ぼれとかすんの?」

「はぁ?」

相手のボケ(?)に、クスッと笑ってしまった。

「まさか。大体、一目ぼれだったら僕より蓮だろ?」

・・・そう。

蓮の整った顔立ちが、女子に大人気らしい。

実際、僕もカッコイイと思う。

「そういうお前も、かなりもててるけどなー」

ニヤニヤしながら蓮が言った。

「なんで?」

首をかしげながらきいた。





< 2 / 42 >

この作品をシェア

pagetop