† 黒猫とクラウン †
シャオランは皆に向かって一礼すると、

『我が主の名は「シュライム」。旅芸人であったから、国籍はありませぬ。主はどんな蛇をも瞬時に操る能力を持っておられる。主には少し変わった質の魔力が宿っているらしいのです。そして、主は大蛇族の毒の牙を装備することができ、その牙にある毒を体に入れられたものは、そこから腐ってゆき、主の魔力が解毒剤なため、主が魔力打ち込まない限り、毒は消えませぬ。まぁ、最終兵器でございますが』

シャオランの紹介でもまた、感心の声が上がった。

僕自身も、皆すごいなぁ・・・と思ってばかりで、自分の出番が来るのがなんだか恥ずかしくなった。
月影は僕をどんな風に紹介するんだろう・・・。

『えー、では次の方は・・・・』

司会がどんどん会を進め、そして

『さて皆さん、いよいよ次の方は今日の大物ゲストです!期待してくれちゃっていいですよ!』
皆が、「誰?」「大物!?」

と騒ぐ中、僕はもしやと思い月影に魔力で他者に聞こえないようにして、

「大物ゲストって、もしかして僕たちのこと?」

と問いかけると、レイブンも同じようにして、

『そうです』

と嬉しそうに返してきた。

やっぱりか・・・。

・・・あぁ・・・。

緊張してきた・・・。

『次のテイルズは、希少種、化け猫族の「月影」です!』

テーブルに座る皆が司会の指す方向、僕らの方を振り返る。

口々に、「俺はじめて見た!」「わぁ~、あれが伝説の・・・」

などと言っている。





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