色、色々[短編集]
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「そろそろ新しいMacに変えたら?」
私が再び頭を抱えるのを見て、営業さんが苦笑交じりに言った。
もう古いでしょ、と林を指差す。
平凡な男に指をさされたなんて林が知ったら、二日くらいは不機嫌になるだろうな。
……イケメンで、スマートで、優しくて、モテる。
かっこいいよ、あんたは。確かにかっこいい。いつだって最先端でいようとするその気持ちも含めてかっこいい。
ただ、仕事ができない。
すぐ虹色の円盤を目の前にちらつかせて、すぐに動きが遅くなって、すぐにうーうー唸りだして、時に勝手に電源を落とすくらい、仕事ができない。たまにデータも勝手に壊す。
でも。
「もうちょっと、林で頑張ります」
はあーっとため息を落として、後ろの電源をポチッと押した。
目を覚ましたらきっとまた、こいつは涼しい顔して「どうしたの?」なんて言うんだろう。優しい笑顔を向けて「頑張ろうか」なんていうに違いない。
仕事のできない林だけれど。そこも含めて愛着があるのだ。
今日は林と会社にお泊りになるだろう。
End
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林→Mac(パソコン)擬人化