色、色々[短編集]

言葉にして思うと、なんて些細な事なんだろうかとなおさら今の自分の無意味な落ち込みに嫌気がさしてしまう。そんなことで、彼氏に八つ当たりをして、余計に落ち込んで友達にまで心配を掛けて。

そんな自分にも嫌悪感を抱く。

私の言葉に、友人は「そっか」や「うん」と合間合間に言葉を発した。


「ほんっとくだらないことなんだけど、ね。明日には気にしないで元気なるから。なんかごめんね」


少しだけ、言葉にしたら楽になったのも事実だ。
話す前よりも少しだけ、元気にもなれた気がする。



「仕方ない仕方ない。そんな日もあるよ。

今日は温かい物でも飲んで、ゆっくり寝たら、明日はいい日だよ」




電話を切った後、キッチンで牛乳を温めてホットミルクを作った。

ココアの粉を入れたマグカップに勢いよく注ぐ。白色が茶色に変わって、ふわふわと暖かい湯気でキッチンを包み込んだ。

まるで、私も包んでくれるように。

部屋で腰を下ろすと、またさっきと同じように机の上の携帯電話がチカチカと光っていて私に何かを告げようとしていた。

マグカップを片手で持って飲みながら携帯電話を開いて、彼氏からのメールに暖かい涙が瞳を覆う。


こんな日もある。
だからきっと明日にはまた笑える。

こんな日もある。
だから今日はゆっくり眠って終わらせて。



こんな日だからこそ、きっと、明日はいい日だ。



End
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