Twenty*LoveStory
ユウヤさんだ!
無意識のうちに笑顔が零れて、
走ってユウヤさんのとこまでいく。
ユウヤさんが角を曲がったところで、
あたしはよりいっそう早く走る。
早く、早く、早く。
やっと近くにユウヤさんを見ることが出来て、
声をかけようとしたそのとき。
「ユウヤどうなったの?あの子と」
ユウヤさんを囲む友達。
やだ、あんな中にまで入って行けないよ・・・・
“ユウヤさん”と、
出かかった言葉を飲み込んだ。
少し待ってようかな。
てか、あの子ってあたし?
そう思ってたあたしに、
とんでもない事実が待っていた。
「あー、唯ちゃんね。ダメだよアレ」
――――え?
聞いたこともないユウヤさんの冷めた声。
どういうこと?
建物の裏に身を隠し、
そっとユウヤさんたちの会話を聞く。