Twenty*LoveStory
あんな奴のために流す涙なんかないのに・・・・・
走りながら目を擦ってた所為か、
前から思いっきり人にぶつかってしまった。
「ごめんなさ・・・・」
「・・・・唯?」
聞きなれたその声に顔を上げると、
目を丸くしたミサキ。
「何で泣いてんの? なんかあった?」
「なんでも、なっ・・・・い」
「嘘。ちゃんと言ってよ」
あたしの顔を覗き込んで、
何度も理由を見いてくるミサキ。
あんまり何度も聞くもんだから、
小さな声、消えそうな声で言った。
さっきのユウヤさんたちの会話を。
全部話し終わった後。
なぜかミサキは、
猛ダッシュでどこかへ行ってしまった。
バカ。
いっつもみたいに慰めてよ・・・・
泣きっ面が恥ずかしくて、
あたしはそのままトイレへ駆け込む。
顔を洗って鏡を見る。
赤くなってないかな・・・・・・