【短】秘密のサンタクロース
それからの1週間毎日小川があたしの元に来て手をつないで一緒に帰ってた。


・・・でも、もうガマンできない!


あたしだって他の人と帰りたいし、寄り道したい!
それになによりあんなヤツと一緒に帰るって事が嫌!


あたしは考えていた。

今日はユマと帰る事にする。
ちなみにユマにはなんとか事情を話した。
ユマは「あの小川だよ?アンタ欲張りすぎ」と不満を言っていたけどOKしてくれた。

HRが終わったらどこかに隠れるかすぐ友達と帰るかしてアイツから逃げる!!

ガマンの限界なんだ!


「じゃ、これで終わりだな~」


HRの最後
先生の言葉の後にどこからか聞こえてきた「起立」を合図にみんなが立ち上がる。

あたしももちろん立ち上がり、手にはすぐに教室から出れるように鞄を持ってる。


「礼」


その言葉がきこえた時にはあたしは教室のドアの取っ手に手をかけていた。
すぐに廊下に出て下駄箱へ走る。

後ろからユマが「待って~」と呼んでいたけどたぶん下駄箱にきてくれると思うし。


とにかく小川に会わなければいいや。


下駄箱に着き、しばらくしてユマと合流。
ユマと一緒に駅まで行った。


「あ、プリ撮ろ~」


『クレープ食べたい~』


やっぱり、友達と遊ぶのは楽しい!

小川と帰る時なんかよりも何倍も楽しい!


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