【短】秘密のサンタクロース
不思議だな、と思ってまた歩き出した。


そしてまた聞こえてくる足音を聞いてるうちにだんだん恐怖に襲われる。


・・・あたし、もしかして誰かにあとをつけられてる?


コツコツ・・・


不気味に響く足音にふくらむ恐怖。

あたしの目にはいつの間にか涙が少し溜まっていた。


ここの角を曲がれば家だ!


そう思ったとたん一刻でも早く家に帰りたいと思い、自然と足の速度が速くなる。


・・・が。


ガッ


『!?』


いきなり誰かに後ろから手を掴まれてあたしはその人の方へ引っ張られた。


小さくなっていた恐怖がまた一気にふくらむ。


『やっ、離して!』


「・・・」


『嫌だよ~!!!』


叫んだつもりだったのに怖くて声が出なかった。


「離せ」


いきなり聞こえてきた低い声にあたしの腕を掴む手がビクリと驚く。


あたしも驚いた。


『・・・え、なんで?』
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