【短】秘密のサンタクロース
「馬鹿でもいいよ」


彼はフッと笑い、あたしをそのまま家まで送ってくれた。


お母さんが出てきて小川はさっきのことを話してさわやかに去っていった。


「ねえさっきの彼氏?」


玄関が閉まるといきなりお母さんが目をキラキラさせてきいてきた。


・・普通、ここだったら心配しない?

一応不審者に狙われたんですけど・・・?


『・・・』



でも、あたしは返事ができなかった。


だって、自分でも分からなかった。


つい前までは絶対『違う』って言ってたのに・・・


今日アイツがいつもより優しかったからだよ・・・


・・・あたし、変になっちゃったんだ・・・


それからずっと頭の中にはアイツがいて


あたしはそのまま眠りについた―・・・




















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