【短】秘密のサンタクロース
あたしを抱きしめる腕を強くどかして、布団から片足を出して床につける。


・・やった!抜け出せた!!!

そう思ったのもつかの間、あたしの腕はまた強い力で元の場所に引っ張られる。


「ほら、逃げる」


不機嫌なのか、意地悪なのか分からない口調の小川。

なんだかさっきよりも強い力で抱きしめられているような気が・・・


『小川、苦しい・・・』


「逃げたおしおきだから」


『はあ!?』


おしおきって!!


「とにかく、これから俺が起きるまでずっとこのまま」


『へ?起きるって・・・もしかして寝るの?!』


「うん。眠いし」


『じゃああたし帰る!!!』


こんな状態でずっといれるとは思えないし、あたしにだって門限がある!
あんまり遅くなったらこれから外出するのが厳しくなっちゃう‼


「ダメ。お前は俺の彼女でしょ?」


『彼女だから何?こんなの彼女の仕事じゃない!!』


「“俺の彼女”の仕事だから」


何言ってんの、この人は!!


『とにかく離せ~~!!』


そう言ってあたしを抱きしめる腕に手をかけたとき。
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