【短】秘密のサンタクロース
―――


ヒュウとつめたい風があたしに吹きかかる。

『うぅ~寒い~~~』


思わずポケットに手をしまいこんで背中を丸くして小川の横を歩き出す。

小川はそんなあたしの顔を見ていた。


『・・・何?』


そんな見られるとテレるんですけど


すると、小川がそっとあたしに手を差し出してきた。


『え?』


「手」


手って・・・それだけかよ。


でもそれって「手、つなぐ」って事だよね?


『・・・』


顔が熱くなりながらもおそるおそるポケットから手を出し、小川の手に重ねた。


すると、小川の手があたしの手を優しく包み込みあたしの心臓がビクっと動く。


本当に・・・コイツの手はあったかいな。


そう思いながら小川と一緒に歩いた。


「あ」


2人で歩いていると急に小川の足が止まり、驚いたあたしは小川の顔を覗き込んだ。

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