【短】秘密のサンタクロース
―――

街はクリスマス一色。


流れてくる音楽も聞こえてくる人々の話題もクリスマスが多くてあたしの心の中もクリスマスが近づいてくると共にわくわくする。


サンタクロースを信じているわけではないけど。

やっぱりクリスマスってなんだかわくわくするんだ。


「もうすぐクリスマスだな~」


クリスマス2週間前の今日。

一緒に帰っていた小川の口からの言葉にドキンとする。


・・・小川はクリスマスが来るのをどう思ってるんだろう?


クリスマスまではあたしたちはカップルだけど。

クリスマスが過ぎたら小川の言う「お詫び」も終わってあたし達の関係は消える。


クリスマス以後の冬休み、会うこともなくなる。


期間限定の関係。


そう思うと胸がいつも以上にきつくしめつけられる。


・・・あたし、まさか小川を・・・?


そう考えてはその考えをすぐに消した。


・・・ありえない。


冷静に考えてみなよ、あたし。

アイツは・・・


アイツだけは・・・


絶対にありえないから!!!
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