【短】秘密のサンタクロース
「俺さ小川 颯(オガワハヤテ)って言うんだ、呼び捨てでいいから!」


『・・・いい。呼ばない』


こんなヤツと仲良くなりたくない。


『教室帰れば?』


冷たく言い放ってそっぽを向いたときだった。


ふわり、と肩にぬくもりを感じた。


『・・・え?』


驚いて振り向くと小川の顔がすぐ近くにある。


・・・!!


かなり近い距離に恥ずかしくなり、思いっきり彼の体を突き放そうとしたけど離れない。


「あったかいでしょ?」


『あったかいって・・・』


普通こんな事する!?

あたし達付き合っているわけでもないし、知り合ったばっかりだよ?


そう思いながらも頬は徐々に温度を上げてく。


「椎名って寒がりや?」


・・・えっ、今この人呼び捨てで呼んだ?

ていうか、名前・・・


「すっごい手冷たいし」


あたしの反応は無視なのか彼は話を続けている。


「ブルブル震えちゃってかーわいー♡」


彼が腕の力を緩めたので保健室から出ようと立ち上がったとき。
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