【短】秘密のサンタクロース
「って…これ、俺があげたものじゃん」
小川の顔にはあきれたような表情。
あたしの手には白い手袋、片方。
『小川の右手につけて!こっちの白いのはあたしの左手につけるから』
「じゃあ、お前右手は?お前いっつも両手つめたいじゃん」
『こうすればいい』
あたしの右手は小川の左手につないだ。
『こうすれば2人とも両手あったかいでしょ?』
そう言うと小川の頬が少し赤くなる。
『あれ、テレてる?』
そう言って小川の顔を下から覗く。
「うるせーっ!」
頬を赤くした小川の顔があたしに近づいてくる。
ちゅっ
唇と唇が重なる瞬間。
『…え?』
「椎名のくせに俺をバカにして調子のるからだ、バーカっ」