【短】秘密のサンタクロース
そう言ってオデコデコピン。


『いったあ~い!何よ、最低!』


なんてね、本当は全然痛くなかった。


「…実はさ、この手袋買ったのお前が小林と帰った日なんだわ」


『え!?』


じゃあ、もしかして小川が友達と一緒にいたのってプレゼント選びで相談しようとしてたから?


「手袋にはしようとしてたけど、女ってどういうのがいいかわからないからさ。ダチと一緒に探してたわけよ」


「そしたらお前がさ~」といってあたしの鼻を思いっきりつまむ。


イタイイタイ、痛いです。


『ごめんね、でも今日からは気をつけます』


よし、と頭を優しくなでる小川がなんだか年上みたいで。


『ていうかさ、小川この手袋サイズ大きすぎ!』


「は?うわ、やば。俺のサイズで買っちゃった」


だから、小川はピッタリなのね。


「新しいの買う?交換とかする?」


『いいよ!』


「でもさ、それじゃブカブカすぎて落とすかもじゃん」


『いいの!これがいいの!それに落としたらまた小川に買ってもらうし』


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