【短】秘密のサンタクロース

カップル


「椎名~」


授業もHRもすべて終わったとき。

廊下から聞こえてくる声にあたしはゾクッとした。


教室のドアに見える長身の男は・・・アイツ。小川。


「え、あれってC組の小川じゃん!!アンタいつのまに!?」


ユマが目を丸くしてあたしを見る。

いつのまにってなに?


「あ、もしかしてさっき告白された?」


告白・・?


『ユマ、言っとくけどあたしとアイツは付き合ってなんかな』
「こんにちは~」


あたしが否定しようとしたら小川に遮られてしまった。


彼を睨むとアイツはニタと笑い、あたしの肩に手を回し自分の方に引き寄せる。


「こいつと俺、つきあってるんで♪」


ええぇぇ~~~~!?


クラス中に悲鳴に近い叫びが響く。


気がつけばクラスの人はみんなあたし達を見ていた。


・・・っていうか!!
あたし付き合うなんて一言も言ってない!!


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