絆
私、松下 麗。
高校2年。
冬に向かって進み始めた肌寒い道を、学校まで歩く。
学校に着いても
あたしは何をする訳でもない。
友達なんていらない。
裏切りあって、傷つくだけ。
小さな頃から、親の喧嘩を見てきた。
お母さんに手を上げるお父さん………
幼心に見ていられなくて。
傷付いて。
仲裁に入ったこともあった。
゛パパやめて"
って。
でも
頭に血がのぼったお父さんは
止めるどころか
あたしにも手を上げた。
そんな家庭で育ったあたしは
誰に対しても
心を開けなくなった。