絆
もう誰にも心を開かないと決めていたのに。
そんなあたしに、救いの手を差し伸べてくれた。
いまその手を掴んだら、楽になれるかもしれない。
でも……
それはできない。
先生に迷惑は、かけられない。
うちの事情に首を突っ込んで、先生には辛い思いさせたくない。
やっぱりね。
あたしの運命は最初から決まっていたんだ。
誰にも頼ってはいけない、そういう運命。
先生ならきっと大丈夫、ってどこかで思ってた。
でもそれはやっぱり、気のせいだったんだ。