絆
おじいちゃんだ!
そう思って、一気に階段を駆け下りた。
でも、、、
帰ってきたのはお母さんだった。
「麗、大事な話があるの」
真剣に言うお母さんに、胸騒ぎがした。
何?
何を言うの?
リビングのソファーに座るお母さん。
向かいのソファーにあたしは座った。
「おじいちゃんのことなんだけど……」
ズキン、と胸が痛んだ。
「癌なの…………。
もう末期で、、、
長くないわ。
今日から入院する事になったわ……」
頭が真っ白になった。
何を言ってるのか分からない。
ただお母さんの顔を、呆然と見ていた。
それでね、とお母さんは話し続ける。
「これからは、おじいちゃんの病院に毎日行って、付きっきりで看病しなくちゃいけないの」