絆
家庭
家に帰ると、お母さんは仕事に行ってしまった。
家のお手伝いさん達が荷物をもつと言うのを断り、部屋まで階段を上る。
足元がおぼつかない。
早く、横にならなきゃ……………。
部屋に入り、荷物を置く。
着替える力も残ってなくて、そのままベッドに横になった。
ゴホッゴホッ……
咳、早く収まんないかな……。
もう、苦しいったらない。
寒い………。
布団を首まですっぽりかぶって、目を瞑った。
寝て、早く治さなきゃ……。
松下家の汚点だなんて言われたら、もう居場所なんてないから。
ああ、もうすでにないか。
居座らせてもらってるようなもんだもんね。
だったらなおさら、迷惑かけないようにしなきゃ…………。