絆
コンコンッ
ドアがノックされる。
「ゴホッ…どうぞ……」
ガチャ
「失礼します……
麗様、お食事をお持ち致しました。
お体がまだ優れないとお聞きになったので、体温計も……」
いつもあたしのお世話をしてくれる、青山さん。
あたしのことをよく気にかけてくれる。
「ありがとう」
あまりにだるいので熱を計ると、表示窓には8度5分と写し出されていた。
ああ、せっかく下がったと思ったのに…。
「何度でした?」
そうあたしに聞く青山さん。
「7度でした。
寝てれば下がるので大丈夫です。
お母様に何か聞かれたらそう伝えて下さい。
お願いします」
青山さんは何か言いたそうな顔をしていたけど、また来ますって言って出て行った。
うん、これでいいんだ。