あたしは、混乱しながらも。



それでも、それは無理だと思った。





お母さんに休みは、ほとんどと言っていいほどないから。






「あたしが看病する!」







気がついたら言葉に出てた。



でもいいの。

本心だから。




「麗には無理よ。

学校があるでしょう。

それに、仕事なら辞めるから大丈夫よ」



「それだけは止めて!」




それだけは絶対に止めて。




お母さんの唯一の生きがいは仕事なの。



それを奪うなんてこと、あたしには出来なかった。




「学校なら大丈夫!
病院に泊まりこみで通うから。

お風呂とか着替えは、朝の少しの時間家に帰ってするから平気。


だから、お願い。



仕事だけは絶対に
止めないで………。」




うっすら涙を溜めて言うあたしを見て、


「わかったわ。

お母さんのために…
ありがとう」



って言ってくれた。




おじいちゃんの傍に居たいってゆうのはもちろんあった。




でも、このときのあたしはこうするしかなかったんだ……。




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