「麗様!

麗様!」






その声にハッとして、目を覚ます。






ベッドサイドには、心配そうにあたしを覗き込む青山さんの姿があった。






「麗様、どこか苦しいのですか?


随分うなされておりました。



うわごとのように、何度も先生、先生とおっしゃられて……」








そっか………



今の、夢だったんだ………





なんか、悲しい夢だったなあ………。







視界が滲む。




夢にまで出てきたら、忘れられないじゃない………







涙が零れないように、ぎゅっと目をつぶった。









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