それから3日間は、高熱が続いたけど



人間とは不思議なもので



どんなに体の弱いあたしでも、自然治癒力というものが備わってたみたい。





4日目には、微熱程度にまで下がってた。






まあ、周りには、
ずっと微熱で通してたんだけどね……





お父さんはいつものことだけど、お母さんも海外に行っていたらしく、具合が悪かったときは家にいなかった。





タイミングがいいのか悪いのか。





本当に微熱に下がった今日、お母さんが帰ってきた。



まあ微熱っていっても、7度5分なんだけどね……





40度近くあった頃に比べたら、随分楽になった気がする。








コンコンッとノック音が響いたあと、声がした。








「麗、入るわよ」





ベッドに座っていたあたしを目にして、ため息をつく。




ずきん、と胸が痛んだ。





「いつまで寝てるの、みっともない。


体調はもう戻ったんでしょう?




今夜、松下家主催のパーティーがあるから出席して頂戴。


くれぐれもみっともない姿は見せないでね」




じゃあ、とお母さんは出て行った。









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