体が、熱い。




ほんとはまだ寝ていたい。




でも、それはあたしには許されない。






松下家の娘として、今夜だけでも頑張らなくちゃ……





家に帰れば、ゆっくり休める。




それまでの辛抱だわ………









そんなことを考えているうちに、会場の玄関前で車が止まった。






運転手がドアを開けてくれて、車から降りる。






一体何度目だろう、この玄関を目にするのは。






相変わらず、お城みたい。





まるでシンデレラにでてきそうな階段を上り、中に入る。






時々目眩がしてふらっとよろけたけど






必死に自分を奮い立たせて、お父さんの所に向かった。










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