絆
コンコンッ
ノック音がしたあとに、スーッとドアが開いた。
知らない看護師さんが入って来る。
「あっ、気がついた?
まだ寝てなきゃダメよ」
そう言ってあたしをまたベッドに横にさせた。
「いま先生呼んで来るわね」
点滴を調節したあと、そう言って部屋から出て行った。
どうしよう…
先生と、どんな顔して会ったらいいか分からない。
約束破って勝手に病院抜け出して。
もう会うことも二度とないと思ってたから。
何だろ、嬉しいのかな、この気持ち。
ぼんやりした頭で考える。
でももし嬉しいんだとしたら……
分かってるよね、麗
この気持ちは殺さなきゃいけない
好きなら尚更
先生を守る為に。