彼の隣、カレのとなり
憂鬱
カレと過ごす毎日に、なんの文句も無いのだけれど・・・
ただ最近、気になることが出てきた
それは、“言葉の壁”
まぁ、私は猫だし、人間に言葉を解ってもらえるなど、これっぽっちも期待していないのだが、ただ、カレには解って欲しいと思ってしまう
もちろんカレは人間だし、猫の言葉を理解するなんてことは無理だということは、重々理解はしている
そう、理屈では分かっているのだが、心が理解できないでいるのだ
前世の彼を知っているからからこそ、理解に悩む
どうしても、割り切ることができないでいた
――どうして通じないの?
――どうして分かってくれないの!?
考え出したらきりが無くて、本当に嫌になる
結局、私は過去に、前世に囚われているだけなのだから、もういっそのこと、この記憶を消し去ってしまいたいなんてことまで考える始末
しかし、そんなことを考えても記憶は消えない訳で、ましてや消えればいいと思っている記憶は私の宝物なのだから、もうどうしていいのやら、お手上げ状態