彼の隣、カレのとなり
『私、生まれ変わったらあなたの飼い猫になりたいわ!』
――そうして、あなたの膝の上で、ずーっと甘えるの
「ははっ!
なんだそれ」
『あら、とっても素敵でしょ?』
あの頃は、本気でそう願っていた
彼の膝の上で、彼の隣でこれ以上ない位に甘えられたら、最高だろうなって、本気でそう思ってたの
その願いが本当のものになってしまった今、私は過去の、前世の私を憎らしく思った
――どうして、恋人になりたいと、来世でも愛し合いたいと願わなかったの!?
今更の後悔・・・
けれど、そう考えずにはいられなかった
言葉が通じないと、カレが私に振り向かないと分かってしまった今、こんなことを考えることしか私にはできないのだ――