彼の隣、カレのとなり






結局、私とカレは、猫と人間




言葉どころか、心が通じるハズがない





人間のカレが、私を好きになるなんてこと、絶対にありえないのだ





自分に言い聞かせるように、何度も何度も心の中で呟く






寝室の窓から見上げた月は、悲しいくらいに綺麗だった







独りぼっちの静かな部屋の中で、私の心にふつふつと湧き上がる、黒い感情





なんに対しての嫉妬なのかは良く分からないが、こんな姿になってまでそんな感情があるのかと、思わず笑ってしまう






月明かりが照らす、薄暗い部屋で、軽く鳴いてみる




『みゃー・・・』




エコーがかかり、余計に独りの空間がかもし出されたような気がしてしまう






なんだかなー・・・





最近は、こんな感じのことばかりで、カレに出会った喜びや感動も、どんどん薄れてきてしまっているような気がする





なんて、哀しいコト――





本当に持っていなきゃいけないものを、どうしても忘れがちになってしまうことに、腹が立ってしょうがなかった










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