彼の隣、カレのとなり
前世で愛した人が、自分以外の人間と幸せになるところを見るのは、やはり辛すぎるのだろうけれど・・・
でも、カレが好きだから、愛しているから、カレの幸せを願ってる
そんなの奇麗事かもしれないけれど、でも、カレには幸せになってもらいたい、その気持ちは、なんの偽りもない、私の本心だから
だからって、身を引く訳じゃない
カレのとなりで、カレの幸せになっていく姿を見ていく
それが、唯一私に出来ることだから・・・
彼の隣で見てきたことを、今度はカレのとなりでしていく
辛いけれど、それが私の使命なんじゃないかなって、今は思ったりもする
温もりを感じる腕の中、私は彼の面影の残るカレの顔を見上げる
叶わないと、分かっている恋に、胸が焦げるように締め付けられた
どうしても欲しいのに、手に入らない、欲することすら儘ならないもどかしさに、喉が焼けるように熱くなった
どうして言葉が通じないのだろう――
通じれば、私の気持ちだけでも、伝えることが出来るのに・・・
そんな想いに、乾いた笑いが込み上げた
何度考えて、何度諦めれば気が済むのだろう
飽きずにソレを繰り返す自分に、思わず笑ってしまう
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