彼の隣、カレのとなり
となりに
今日も私は、カレのとなりにうずくまる
ソファで寛いでいるカレは、私の頭を撫で、抱き上げる
そんなカレに頬擦りをしながら、精一杯に甘える
カレもそんな私を優しい目で見つめてくれる、そんな至福のひと時の中――
――pipipipi
カレのケータイが音を上げた
抱き上げた私をソファに降ろし、少し駆け足気味にケータイの元に急ぐ
「もしもし」
≪もしもし?
あたしだけど≫
電話越しから、女の人の声
最近、頻繁にこの光景を見るようになった
そう、カレに彼女が出来たのだ――
楽しそうに話しながら、ソファに近寄り、座って電話を続けるカレ
いつもはそのまま黙っている私なのだが、なんだか面白くなくて、嫉妬紛いの邪魔をしようと思う