彼の隣、カレのとなり
ソファの背に飛び乗り、カレの背後に忍び寄り、電話にくっ付けているのと反対の耳をペロッと舐める
「うわっ!
リリィ!!」
突然のことに心底驚いたのか、軽く飛び跳ねながら、少し赤くなっている耳を押さえた
ふふっ!
ホント、変わってないんだなー
前世でも耳が弱かったから、ちょっと試しにやってみたら、やっぱり弱かったみたい
≪なに、誰かいるの?
りりぃって?≫
電話越しの彼女は、私の存在を知らないらしい
少し不機嫌な声で、カレに質問した
「あ、あぁ・・・
猫だよ、飼い猫。
リリィって言って、可愛いんだー」
お転婆だけど!と付け加え、向かい側のソファに距離をとった私を軽く睨みながら言った
――あら、失礼な
肩を竦めながら、悪びれる素振りもなく、カレの膝に飛び乗った