彼の隣、カレのとなり
寝起きの、少し掠(かす)れた声も。
ようやく開きかけて、半開きになった瞳も。
寝起きのせいで、少しカサついた唇も。
規則正しい寝息も、上下する胸も、その心音も。
仕種も声も。彼と同じなのに。
彼と同じはずなのに、彼じゃない。
カレはかれだけれど、彼じゃない。
あぁもう。
全てが愛しくて、全てが憎い――。
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