彼の隣、カレのとなり
私を抱いたまま、カレはどこかのマンションに入っていった
そしてホットミルクを作り、私に飲ませてくれた
――あぁ、おいしい
程よい温度のミルクは、何も食べたことの無い私にとって、これ以上ないご馳走だった
「うまいか?」
――うん、とってもおいしい!
『ミャー』
「そっかそっか!」
通じたのか通じないのか分からなかったが、カレは“おいしい”と言ったように判断したのだろう、とても嬉しそうな表情をした
私がミルクを飲み干すと、今度は風呂場に連れて行き、温かいお湯を掛けられた
ビックリして
――わっ!
『ミ゛ャッ!』
と声を上げると
「悪い悪い!」
と申し訳なさそうな顔で謝ってきた
今度はゆっくりと、体中を泡だらけにして、洗い流された
「ほら、キレイになったろ?」
鏡の前に写された私は、前世の姿と同じ
シルバーの毛に、エメラルドグリーンの瞳――