彼の隣、カレのとなり






その姿を見て私は、前世の私と現世の私が、同じモノなのだと思った




そして、鏡越しに見るカレ



彼とは少し違うように見えるが、なんとなく彼と似ている、様な気がした




カレに彼を重ねて見ているからだろうか――?




そんなことも考えたが、あることを思いついて、納得した




笑顔が一緒なんだ――




笑った顔が、彼と一緒・・・



頬に出るえくぼも、下がる眉も、細まる瞳も、全てが彼と同じ笑い方





やっぱり私は間違っていなかった――





そして、自分の願いが叶ったのだと、理解した瞬間だった







風呂場を出て、ふわふわのタオルに包まれる



生ぬるい風に当てられ、毛を乾かす



丁寧に扱ってくれるカレの手が、とても心地よかった




ソファに座り、膝の上に乗せられ、頭を撫でられる



ひどく懐かしい感覚に、思わず声を上げる




そしてカレは、私に名前をくれた



「リリィ」



それは、前世での私の愛称だった――










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