彼の隣、カレのとなり
驚いた
もしかしたら彼が、前世の記憶を持っているのかも知れないと、そう思った
そう願った刹那、
「リリィって名前は・・・
なんだか、とても大事なものだった気がするんだ。
キミを見た瞬間、とても似合ってると思ったんだ」
そう言ったカレの顔は、遠くを見つめているようだった
――あぁ、カレは覚えていないんだ
淋しかった、けれど、大事なものだったと言ってくれた
カレが覚えていなくても、魂が覚えていてくれた、それだけで良かった、そう思えた
ベッドに入り、私はカレと一緒に眠った
あの頃と変わらない、彼の温もり――
どんなに姿、かたちが変わっても、本質は変わらないのだと、魂は変わらないのだと、
変わらない彼であることに、喜びを感じた
あぁ、良かった、カレに出会えて
生まれ変わっても、彼に出会えて、本当に良かった
心の底から溢れだす感情に、身を任せた