distance
なんだ???


「おい、桜井。これは誰だ?」


百合香様があたしを指さして聞く。


「あ?…おぉ。これはこれは。我が校のアイドル、杉山桃巴ちゃんではないですか!!」


桜井くんがあたしに気付いて声をあげた。


「…相変わらずあったま悪いな、バカ桜井」


「いちいちうっせーな斎藤!うんざりした顔で見んな!なんなんだよ」


「だがしかし、ご名答だ、バカ桜井」


「おう」


「正解したバカ桜井には、特別に豪華特典を与えよう」


「…特典の内容を聞くまでは素直に喜べんな」


百合香様の口角があがった。


「特典は、アイドルももはちゃんとの握手会★だ。


おまえに桃巴の手を握らせてやる」


「マジでぇ?!」


なぜか腕組みをして偉そうにしている百合香様。

百合香様に対して訝しげな目線を向けていたのが、急にとびきりの笑顔になった桜井くん。



話についていけない、あたし。

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