【続】天国に近い場所
「もう4月だし、春だってのに、夜になるとまだ寒いな」


龍美は私の手から荷物をヒョイと持ち、私の手を握った。



ドキッ


4日ぶりの龍美の手に、ドキドキしてしまう。

私はにやけそうになる顔を堪えて、龍美に手を引かれながらマンションの中へ入った。













《チーン……‥》


エレベーターの扉が開く。



私は龍美と手を繋ぎながらエレベーターから降り、ゆっくりと歩きだす。





「〜〜♪〜♪」


鼻歌を歌いながら、ポケットからキーケースを出す龍美。
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