先生なんて言わせない2 -Love Weekend- *更新停止中*
「思ったより、あっさりしてるんだね。
あんなに緊張して名前書いたことがバカらしくなってきたよ」
住民票を移す手続きもしてから市役所を出て、
帰り道を歩きながら、つぶやいた。
「…だな」
「うん。でも…」
あたしは繋いだ手を握りしめた。
「あたし、今から佐野千沙(さの ちさ)なんだね」
「ああ」
結婚式も何も、特別なことはしなかったけど、
あたしはもう佐野千沙なんだ。
「よろしくな、――奥さん」
その言葉に、パッと顔を先生に――祐輔に向けた。
真剣な先生の瞳と見つめあう。
「うん、よろしく。祐輔…!」
じわじわとこみあげてくる喜びで、胸がいっぱいになって、
あたしは祐輔に抱きついた。