先生なんて言わせない2 -Love Weekend- *更新停止中*
何を諦めきれないのか。
その部分だけ、声のトーンを落としていて、聞き取れなかった。
きっと、他の人にも聞こえない。
だけど、
あたしは、
想像できてしまった。
『先生を諦めきれないわよ』
きっと、こう言ったんだ。
「…ごめんなさい」
謝ればいいってものじゃないのに、口をついて出た。
「反省するなら、ちゃんと断りなさいよね」
樋渡さんはフンッと顔をそらすと、先に行ってしまった。
「…祐輔」
あたしは指輪を握りしめながら、つぶやいた。
祐輔を好きだった樋渡さんと仲良くなろうなんて、
やっぱりむしのいい話だったのかな。
あたしの行動が、いつも彼女を傷付ける。
あたしって嫌な子…。
「…祐輔、会いたいよ…」
あたしは零れ落ちそうになる涙を、必死に我慢した。