世界の終末に。
それから僕は、名門大学を受験して落ちて、滑り止めで受けた地元の無名の大学に入学した。
父さんは一度入院し、退院してから母さんと家庭菜園を始めた。
遥に出会ったのは、その年の春のことだった。
3年間、校則の厳しい男子校で部活にだけ精を出していた僕は、まわりの仲間たちがとても垢抜けていることに焦った。
垢抜けた仲間たちは、茶髪にお洒落な格好をして、バイクで通学をし、サークルというものに入り、バーベキューやキャンプをし、夜を徹してボーリングやカラオケに興じて、そして時々恋愛をしていた。
僕はというと、大学には自転車で通い、授業が終わると寄り道もせずまっすぐに家に帰っていた。友達はいたことはいたが、みな僕の様な人種のような集まりだった。
派手な仲間たちや恋愛に憧れがなかったと言えば嘘になるけれど、僕は僕なりに楽しく暮らしていたし、特に不満もなかった。バーベキューは家族でやればいいし、歌なんてお風呂で歌えばいい。
女の子なんて、テレビの向こうにいくらでもいた。