影ふみ
「はぁ・・・はぁ・・・あとちょっとだったのに!!」
「あきらならまだ伸びるよ。それに・・・ほら」
タイムを見ると・・・
「やった!!自己新!!」
こうやって毎日のように部活のとき
由羽と勝負する。
家は隣同士。
保育園のころからずっと一緒。
でも走るときはライバル。
それもかれこれ10年。
・・・補足。
片思い歴・・・2年。
この恋に気づいたのは
中学に入学して少ししたころ。
身長がどんどん高くなって
声が低くなった由羽を初めて男の子と
意識したらドキドキが止まんなくなった。
◆◆◆◆◆
保育園のときからだった。
「由羽!!おにごっこしよ!!」
って言うと決まって
「おお!!いいぜ!!」
って返ってくる。
バタバタ・・・ドタドタ・・・
「こら!!あきらちゃん?もっと女の子らしい
遊びしましょ?」
「ええぇ!!由羽とおにごっこしてたほうが楽しい!!
だめなの?」
「だめじゃねぇよ!!ほかの女の子は静かでつまんない!
あきらといるとすっげぇ楽しい!」
私だけ特別。
ほかの女の子とは違う。
いつも由羽の背中を見てきた。
私の思い出に由羽がいないときなんて
・・・なかった。
◆◆◆◆◆