逆らえない
日比野の声に、安西は遂に涙をポロポロとこぼし始めた。

「おい日比野ぉ…安西先輩泣いちゃったじゃないか」

ニヤニヤ笑いながら、畠山は安西の体を指先でなぞった。

頬から顎、顎から首筋、首筋から鎖骨…。

その感触に、安西は体を縮こまらせる。

「俺達だって先輩を脅してる訳じゃないんです…優しい先輩に、ちょっと甘えてジュースを買って来て欲しいだけです…買ってきたらすぐに帰してあげますから」

「…本当…?」

涙に潤んだ媚びた瞳で、畠山を見上げる安西。

そんな目で見られると、畠山はたまらなく興奮してしまっていた。

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