逆らえない
ストレス発散なら別の方法があるだろ。

日比野は畠山が言っていた言葉を思い出した。

ははぁん…そういう事か。

彼の表情に邪な笑いが浮かぶ。

「おい安西」

部室のドアを閉じようとした安西を呼び止める日比野。

ビクッと小さく震え、安西は振り返った。

「な…何かな…日比野君」

「まぁ入れよ」

「え…でも、女子更衣室あっちだし…」

何かに脅えているのか、安西が言うが。

「入れって言ったんだぜ?」

畠山がすごむように言う。

「……」

気弱な安西は、それだけで逃げ場を失った。

< 5 / 25 >

この作品をシェア

pagetop