青空
『違いますけど』と姫成が答えると、
「そうだよね。そんなはずないよね。ゴメンね。」男はそう言うと、そのまま去ろうとしたが、
『ちょっと待って。』姫成が引き止めると、
『りのさんってどなたですか?』と男にきいた。


「昔の知り合い。
あなたが、あまりにもその人に似ていたので。
でも、そんなはずないんだよな。
もう、20年以上前のコトだし。」男がそう答えると、
『そうだったんですか。その人とはもう、連絡とれないんですか?』と姫成はきいた。



「あぁ。
20年くらい前まだ18だったその人は、突然いなくなったんだ。
風の噂で、どっかの年上の男の子供を身ごもって、駆け落ちしたとかしないとか聞いたが真実は分からない。」


『そうですか。
ありがとうございました。』


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