━ 紅の蝶 ━
━ 序章 蝶々 ━



 蝶々、蝶々。

 ひらひらと飛ぶ様は花びらのよう。
 美しい容姿はまるで幻想。

 蝶々、蝶々。

 もしもこの世から“蜜”が亡くなれば、蝶々は何を求め、飛び廻るのであろう。
 風か。水か。火か。光か。
 それとも――……。


 ――ひとつ、想うことがある。

 蝶々の生き様は、人間と、とてもよく似ているとは思わないか――



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