マイスィートアフタヌーン
2.
ヤードの廊下を進むミセス・ミルトンのぼやけた姿を、建築以来の汚れを重ねた窓の向こうに確認した。
あとはフレディにお任せ&期待をかけて、こちらはこちらで進むべき。
植え込みから道へとび出し、メアリーアンは急ぎ足を大通りへと運んだ。
心の中で、頑張ってねのお願いを繰り返している。少しでも届けば良いのだけれど。
レスリーが留守で良かったのかもしれない。
上品な婦人(特に註・本人だけがそう思っている場合も含む)をなにより苦手とする彼は、耐えられずにすぐに野放していたかもしれないからだ。
その点ならフレディは適任かもしれない。彼はなかなか人間の扱いに長けている。あの人を相手に使うとしたなら、言葉を変えてあしらいか。