マイスィートアフタヌーン
2.
かくして店に逆戻りである。
シンプルに飲み物だけが載せられたテーブルを挟み、向かい合った彼らはかなりの時間を黙って過ごしていた。
話を聞いて欲しいと呼び止めたジョンは、どこから始めたものか迷いあぐねている様子を見せている。
こんな場合に待つことには、フレディは慣れていた。長くなる夜の予感があった。
とすれば、急かす理由もない。
やがてジョンは、本筋ではないところに取っ掛かりを見い出した。
「あなたはロンドンに来て間もないのだと、彼女たちから聞きました。不安などはなかったんですか? 知らない国に」
「多少は――もちろん。僕の場合は勤めに出ることも初めてだったので、いろいろと心配はしましたね」