マイスィートアフタヌーン
破ったのはジョンの方だった。そう、彼の番なのだ。


「事情があると思ってくださっていますよね」

「まぁ、だろうな、とは」


「彼女にもわかってしまったと思いますか? どうだろう、彼女は僕の……気持ちを」

「どう、でしょうね。二人揃って、学院長を引っかけたことにはしゃくだけで手いっぱいなようにも思いましたが」


「ですよね。ははッ。さすが。変わらないなぁ、変わりようがないんだ。変える必要などないのだから」


愉快そうに笑い、それをおさめると今度は彼は寂しそうにも見えた。
力なく腕を投げ出し、指を組み合わせる。


のしかかる影が重いのか、背中は丸められていた。

うつむきがちに話は始められた。
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